福岡県太宰府市の丸山病院(内科・消化器内科・循環器内科・リハビリテーション科)

2021-06-01

不整脈:電気的除細動(心房細動)

心房細動に対する電気的除細動

心房細動を洞調律に戻す非薬物療法には、カテーテルアブレーションのほかに電気的除細動という方法もあります。電気的除細動を行うのは、心房細動が起こると血圧が急に下がって強い症状のために動けなってしまうような場合、抗不整脈薬が有効でない場合、肥大型心筋症・心アミロイドーシスや心不全などがあるため抗不整脈薬を使うよりも電気的除細動の方が安全と判断される場合などです。いつ起こったか分からず症状も強くない心房細動には、電気的除細動を行うことはありません(左心房内に血栓があるかも知れません)。

治療の準備ができたら、電気的治療(通電)時に苦痛を伴うため、1〜2分で覚める超短時間作用型の静脈麻酔薬を注射して麻酔をかけます。心電図をモニターしながらQRS波(心室の電気信号)にタイミングを合わせて、パドルあるいは貼り付け電極パッドを前胸部と左側胸部にあてて直流通電(電気ショック)を行います。QRS波にタイミングを合わせるのは、通電により重症の心室性不整脈を誘発させないためです。電気的除細動に成功しても、正常脈(洞調律)が長続きするかどうかはそれぞれの患者さんの状態によります。心房細動が再発する可能性がある場合は、予防的に抗不整脈薬の内服が必要となることも多いです。電気的除細動が繰り返し必要な場合には、カテーテルアブレーションが望ましいです。

電気的除細動のイメージ図。前胸部と左側胸部にパドルを押し当てて、または電極パッドを貼り付けて、心電図のQRS波(心室の電気信号)にタイミングを合わせて、直流通電(電気ショック)を行います。図は、電極パッドを使用した方法です。

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